出雲黄昏

 純文学は、より自由であるということです。  例えば筋に関しても、起承転結である必要はありません。起起起結という構成でも構いません。ただし、その構成にはその構成にした必然性が求められます。  文章も自由です。句読点を使いまくっても良いです。敬体でも、常体でも、口語でも。それらをミックスしてめちゃくちゃにしても。必然性があれば良しとされます。  表現力が求められる。という点はよくご存知かもしれません。しかし、表現は結果です。物を描くために最適な表現のみ、洗練していなければなりません。  純文学は文学であると同時に芸術性を求められます。  自由であるがゆえ、とても抽象的なものが純文学とも言え、僕自身も上手いこと書けておりませんから、偉いこと言える立場でもないのですが。  抽象的に見えて必然性のかたまりのような、わけのわからない、でも果てしなく自由な作風が許される領域です。僕はそう思っております。間違っているかもしれません。  しかしかし子さんの文体は、芸術的です。言い方が悪いですが、日記のほうの文体がより素晴らしい。あの軽い感じ。文体から感情が溢れているし、なんだかほんわかします。生きています。例えるなら、砂漠の中でオアシスを見つけたような、「憩い」のあるものです。これからも是非大切にして下さい。あなただけの持つ物だと僕は確信しています。  あと、僕は硬い文章しか書けないので、心底憧れています。その文体に。  その文体を扱えたら、面白い物が絶対に書けます。これは純文学に限らずエンタメの領域でも。そういう意味で、『卵とタヌキと人間社会』は、ベストマッチした傑作に感じます。  と、長々申し訳ありません。  最後に、参考。  エブリスタなどで、プロ級の純文学(と決めつけては返って失礼かもしれませんが)を公開されている作家さんがいらっしゃいます。僕はたいした交流はないのですが、アマチュアで、ここまでの文学を描かれている方を、僕は知りません。どれも、超一級品なのですが、これが特に純文学を知る上でもオススメしときたい。  https://estar.jp/novels/26222267   では、  これからも、尊敬する作家として、高みを目指していってください。心より応援しています。
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いつも読んでくださるだけではなく、アドバイスまでありがとうございます😊 ものすごく勉強になりました! こうしてこっそり教えてくださるの助かります! 純文学で公募に挑戦している友人がいるのですが、その子も「エンタメより純文学の方が自由だし制限がない。だから難しいし悩む」みたいなことを言ってました。 個人的には堅い文体の方が好き&美しく感じてしまうので、出雲さんの文章は芸術的で、私の考える純文学の文体! っていうイメージです。憧れです。 おすすめの作家さんも教えてくださってありがとうございます。 良い小説を書くためにはインプットが必須だと思うので、こうして良い作家さんを教えて頂けるのはありが
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お、恐れ多い!アドバイスというほどの物ではないです。 僕の文体については、そのように言っていただいて素直に嬉しく思います。ずっと文体は強く意識していましたから。   しかしリンク先の作品。是非読んでください!(おまけで、僕はあまりの感動に感想を寄せてますので、そちらも参考に、……はならないかもしれませんが、ひとつの解釈として) この作品、もとい作者は、最高に美しい流れるような文体がプロレベル。それも、プロの中でも最高レベルの。加えて信じられないくらいの表現力なんです! かし子さんの好みもあるとは思いますが、インプットの観点でも、読んで損はありません。それほどに良質です。
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