石亀じだん

サックスの音色が星空を染めて
転校生の麗奈は、すぐにクラスの上位グループに入り込む。そこにはやはり都会っ子に対する田舎の子供たちが持つ一種の憧れ、畏敬の念があったことだろう。 クラスのボス的な存在には、気おくれしていた奈緒だが、ある意味その上を行く麗奈と偶然にも話すことできた。 仲良くなれると期待した奈緒だが、麗奈に裏切られる。何故だろうか。 一方で、垢抜けている麗奈が何故にこんなところに転向してきたのかも謎だ。 白亜の城へ行く約束をすっぽかされた奈緒は、風邪をひいて最悪な状況に。 それでも何故か、彼女から約束を破ったことの言い訳もない。 ラストは、夏祭りの太鼓の音が届く白亜の城でサックスの音が、夜空を埋め尽くす星に吸い込まれていく。情景が目に浮かぶ。 その音は、麗奈の夢と希望を打ち砕いた音楽仲間に届いただろうか。 多感な女子高校生の交流とやり切れない裏切りが交錯する。 波を乗り越えたからこそ、訪れるおだやかさ。二人の友情は星の輝きに負けないことでしょう。 物語全体を通しての感情を揺さぶる情景描写に感心します。 人にはそれぞれ簡単には他人には話せない悩みを抱えているものですね。背景にあったそんな想いが見事に描かれていました。 ミステリー調に読者を引き込むテクニックにもやられました。 美岬ちゃんはいい子ですね。彼女の存在に救われました。 それぞれが開けた扉はきっと同じ景色が映っていたことだろう。
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石亀じだん様 「ただいま、我が焼け跡」に続き、こちらにもレビューをいただき、ありがとうございます。 あとがきでも触れたように自分でとても気に入っている話です。 自己を確立する途上にある主人公が、新たな出会いをきっかけに成長していく、言ってみればありきたりな物語なんですが💦この二人には特別な関係であり続けてほしいな、と思ったりします。 ただ、読み返すほどに粗が感じられて、もう少しどうにかできたかも😣とも思ったりしています。 今後とも、どうぞよろしくお願いします。
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遠野 雨弓  さん こんばんは 石亀じだんです。 ご丁寧にもコメントありがとうございます。 とても素敵なお話ですた。 このくらいの年ごろの女性には、ちょっとした誤解で友情が壊れたり、思い込みで相手のことを疑ったりということがあるのでしょうね。 つたないレビューで作者の方の意図するところが読み込めたか心配ですが、そういっていただけて、ほっとしてます。 特に荒というところは見当たりませんでしたが。 このところいくらか涼しくなってきてますが、はっきりしな陽気が続いてますね。本当の秋はどこに行ってしまったのか。 それでは、また寄せていただきます。
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