深厚院

乃上さん、こんにちは。 ご丁寧な返礼コメントを頂きまして、ありがとうございます。 『山珊瑚の娘』…宇流自身は言葉少なで実直な人物像でしたが、山間の小さな山村での暮らしぶりを丁寧に綴る情景描写で、語らずとも彼女の心模様を映し出す筆力に、乃上さんの才を感じつつ読了しました。 前回リストに掲載させて頂いた『白藤色の空』より少し遡る時代背景を想起し、山を背にした集落の寂しい空気感が漂う世界観でしたね。 厳しい財政事情を抱えつつも『白藤色の空』の方が多少は豊かな人里を醸し出し、奥行きと広域を感じる舞台だった印象を持っています。 より読者人気を攫うのは何方かなと、物語の中へ誘われながら想いを馳せ、リストに並べさせて頂いた次第です。 今作『山珊瑚の娘』の小さな村落で紡ぎ縺れ合う人情と、護が去った後の薄暮を想わせる情景描写に、心囚われる境地を覚えた読後感でした… 今際の際に至る宇流の前へ颯爽と登場する護の姿は、何の未練も無く諦念に包まれた彼女と共に、仄暗い空気に圧された遍く読者の心も掴むハイライトになるかと。 両作品とも短編の域を超えた世界観の完成度で、古今東西変わらぬ人間模様の真髄を突く、重厚感のある時代小説かと存じます。 読み応えのある見事な世界観に浸る一時を戴きまして、此方こそ心より感謝申し上げます。 朝晩の寒暖差を肌で感じながら、紅葉シーズンの到来に心を寄せる今日この頃ですが、天候も気温も不安定な折、乃上さんも体調等崩されません様、どうぞお身体を労わってお過ごし下さいませ。
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深厚院さま お返事いただきありがとうございます。 また身に余るお言葉をいただき恐縮しております。ありがとうございます。 『山珊瑚の娘』と『白藤色の空』を比較していただきありがとうございます。まさに仰る通りの時代感覚で描きました。 字数に制約がある中、宇流の生き様から心模様が垣間見えたなら嬉しいですし、そこを評価していただけたこと励みになりました。 山神信仰はとても好きな題材なのですが、山神というと女性が多いイメージですが、男性や夫婦の山神もいるのだそうです。きっと宇流も今頃は紅葉色づく山を護と共に守っていることでしょう。 これからも深厚院様のお心に留まる作品を書いていきたいです。 あり
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