【コメント】

ひぐもさん、お久しぶりです。毎回ご丁寧に返礼コメントを頂き、ありがとうございます。新作であろうと改稿であろうと、完結リスト一覧にひぐもさんの作品を見つけ、喜び勇んで拝読させて頂きましたよ(*^^*) 『執刀医』…理想とは違った方向性で腕を買われる職務に於いて、現実の社会問題を鑑みれば避けて通る事もナンセンスで、偏に無垢な命の安らぎを祈り、諦観の念で自らの位置づけを把握するドクター吉良には、大人の器を感じさせるイケメン主人公の印象を持ちました。一挙手一投足に笑いを煽るシュールな絵面の死神が、裁きの天秤を請け負う事で筋肉を鍛えざるを得なくなった展開に笑いつつ、単純な生前の罪過だけでは量れない内包された真理がある事を、輝く天使達の様相で端的に表現された手法に感服致しました。命を救済するスタンスで臨む吉良の身になれば、全ての命が天使になったと信じる事以上の救いは無い様にも感じましたね。死神の携える天秤棒が、時代を移る毎に細くなって行く未来を希う読後感でした。明確な正答等なく理不尽で取り上げ難い題材を、明るく入り易い切り口で読者に投げ掛けるプレゼンテーション能力は、ひぐもさんの持ち味と実感した作品です。天候も気温も不安定で、体調を崩しがちな時節となりましたので、ひぐもさんも風邪等召されません様に、どうぞ暖かくしてお休み下さいね。

・1件・1件