アズマ

https://estar.jp/novels/26279653私は10年以上もインターネットの世界で執筆活動を続け、多くの人との別れを体験しました。顔も見えない人との交流は、弱く、もろく、あっさりとその絆が切れてしまうこともありました。それはWebでの活動をする人間にとって仕方がないことかもしれないと、ある意味で割り切っていました。しかし、死別というのは、あまりに苦しいものなのだなと今ははっきりと感じます。 西令草さんとの交流が始まったのは、コミュニティがきっかけだったか、それとも自主企画だっただろうかと、今でははっきり思い出せません。それほど古い友人の一人であり、作品にレビューをもらったこと、私のややこしいプライベートの事情に対して勘違いさせてしまったこと、今ではそれも輝かしい思い出です。闘病を始めたと聞いた時は、臆病な私は怖くて、自然に距離を置きました。私自身の弱さに、今では後悔します。 友人の死の知らせなんて、慣れることなんて決してなくて、心臓が押し潰されそうだけど、私にできることはやっぱり言葉を吐き出すことしかなくて、このエブリスタにはいつまでも西さんのアーカイブがあって、彼が生きた証、生きることに対して戦った証が、永遠に残っています。その生命は終わりを告げても、その体は灰になっても、彼の言葉はこの世に残り続けるなら、少しでも私の心を救ってくれるのかな、なんて思います。 ご冥福をお祈りしますなんて、型通りの言葉を送るのも辛くて、それでも共にこの場所で活動できたことはこれ以上ない幸せで、友人というよりも執筆という孤独の戦いを共にした戦友と言った方が近いのかもしれないし、もしかしたらそれは一方的な感情だったのかななんて思うけど、それでも私にとっては必要な存在だったなって思うし、もう届くことはない言葉を送る意味はないかもしれないけど、この場所に残された私は力の限り言葉を発信してから西さんの待つ場所に行くねと、もう言葉を交わすこともできない友人に、そう約束したい。
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