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つなべ夏
シバケンタップ
2024/10/22 17:12
つなべさんこんにちは! あらためてオレンジ文庫短編小説新人賞の佳作受賞おめでとうございます。 『夏の橋渡り』読みました! 美しい表紙のような夕暮れの橋での情景が、登場人物たちの心象風景のようでもあり、また構成もミステリーの雰囲気もあって素晴らしい作品でした。 相貌失認がキーワードとなり、その主人公をとりまく辻君と長谷川君との関わり合いのなかで謎が明かされていくというストーリー。新しい形の叙述トリックのような鮮やかさがありながら、人間の本質をのぞくようなヒューマンストーリーのようでもありました。 人は視覚によってものを判断できる。でも見えたものが真実であるかは証明はできない。まして、人の心の中など視覚としてとらえることはできない。こうした命題に対して、相貌失認というキーワードが非常に効果的で、読者の私たちはストーリーの真実や、意外性のあるラストに驚きながらも、さらになお、彼ら(主人公を含めて)は何を思い、何に苦しんだのだろうか、ということが私たちの想像の中だけでしか分からないという怖さに気が付きます。そう、まるで私たちは普通に大なり小なりの「相貌失認」なのだと。 そう考えると、講評で述べられている様々な内容も、ああ確かにと思う点もあれば、少し的外れかなと思う点もあります。 外見で見分けがつかない人は、嗅覚や聴覚で判断できるのではないかとか、長谷川君の思考が理解の範囲を超えているというのも、ちょっと違う観点かとは思いました。 つなべさんは「わざと」「効果的に」辻君と長谷川君の区別ができないように描いているのですぞ。同じく、辻君、長谷川君、そして主人公を取り巻く女子生徒たちが「本当は」何を考えているかなど誰もわからない、主人公が「そう思う」だけなのですぞ。だってこの作品は「相貌失認」の一人称「私」が描く世界なのだから。そんな気がします。そこをまるでミステリの鮮やかな謎解きのようなエンターテイメント要素も取り入れて描いたところが、この作品の素晴らしいところだと思います。 また次作も楽しみにしております!
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つなべ夏
10/22 22:17
うわー!!読んでいただいた上に、こんなにも深い感想をくださって本当にありがとうございます( ;∀;)✨ す、すごい…作品にここまでの深みを見出していただけるとは、作者冥利に尽きます。確かに、見えたものが真実であるかは証明できないですし、自分が見ている事実と他人の見ている事実は必ずしも同じではないんですよね。だからこそそれぞれの考えや行動が食い違ってしまう。 特に辻くんは、読んで人物像を掴めるようには書いてなくて、それこそ彼の本意は主人公の一人称視点の推測なんですよね〜。 「本当は」どうなのか。それは同窓会での再会で明らかになることですが、読んでくださった方のご想像にお任せです。 選評まで読
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シバケンタップ
10/23 10:15
ご返信ありがとうございます! 的外れな感想だったらどうしようかと思ってましたが、ご丁寧なコメントが嬉しかったです。また楽しみにしてます!
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シバケンタップ