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猫の花冠
稲着よふみ
2024/10/27 17:00
青の繊細さを追想する
春の陽気から始まる物語は、猫が登場することで、より一層なごやかな雰囲気になります。 しま模様のしっぽを揺らしながら二足歩行する姿が愛らしいです。主人公に抱きしめられて暴れたかと思えば、「君は花冠が好きだったな」と主人公の嗜好を言い当てる……ツンデレな猫なのでしょうか。 一方で、ファンタジックな猫で片付けられるような、単純な存在ではないのだろうとも思いました。 読み進めるうちに疑念は深まり、物語も不穏になっていきます。 猫の正体は最後まで明かされませんが、それだけに胸に来るものがありました。 特に「僕もわからないさ」から始まるセリフの終盤。これまでの話し方から考えると「言ってただろう」で締めくくりそうなのに「言ってた……よね」と、あどけなさを残すところが、切なくて好きです。 読み終わった後に、矢車菊と春紫苑の花言葉を調べました。小道具としての意味合いがなければ大変申し訳ないのですが、どちらの花言葉も感慨深いものがありました。
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山鳥きり
10/27 18:57
コメントありがとうございます。 花言葉、いいですよね。 多くの読者に気づかれることがないのは重々承知なのですが、やはり調べてもらえるとうれしいです。 猫の正体は弟という設定なのですが、さすがにわかりにくいですよね…… 時間があるときに少々書き直してみます。
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稲着よふみ
10/27 20:30
ご返信いただきありがとうございます。 ややこしい感想を書いてしまって申し訳ありません。ネタバレありに設定しても、猫の正体を書くのは無粋かと思ってぼかしただけなので、弟であることは伝わってきましたよ。 冒頭の「弟が輪投げに使う心配はない」という文章から、主人公には弟がいること。そして「家族で川に行った」「捕まえられなかった弟の手」「救急車」などのキーワードから、川で事故に遭ったことがうかがえます。 これらの情報を伏線と受け取り、最終ページは「猫=弟」で読んでいました。 今のままでも十分素敵な物語ですので、ご安心いただければと思います。
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