リミル

🎃『HAPPY HALLOWEEN』🍭 「お菓子をくれないとイタズラするぞーっ!」 「するぞー!」  今日だけ灰色の耳を生やした天使達は、自分で言った言葉にきゃっきゃと笑う。  レグルシュが帰宅する前に、千歳と斗和、ユキで部屋をハロウィン仕様に飾りつけ、仮装も済ませた。  今年は二人でお揃いの狼男だ。髪と耳の毛色が合っていないが、そんな些細なことなど気にならないくらい、可愛かった。  二人はレグルシュを驚かすリハーサル中だ。特にユキのほうはやる気まんまんで、絶対にレグルシュを驚かそうと気合いが入っている。  対して斗和の声は、少しずつ小さくなっている。 「斗和、眠いの? パパが帰ってくるまでねんねする?」  千歳の言葉に、斗和はううんと首を振る。  ユキも斗和の異変に気がついたようで、心配そうに顔を覗き込んでいる。 「パパが斗和くんのことこわいって泣いちゃったらどうしよう……ぼく、きらわれちゃうかも」  斗和の言うことがちっとも想像できなくて、千歳はつい笑い出しそうになってしまう。でも斗和は、着ぐるみについた鋭い爪を見ながら深刻そうな表情をする。 「だいじょーぶ! レグ意外と怖いの平気だから!」 「ほんと……? ぱぁぱびっくりして泣いちゃわないかなぁ?」 「レグはママと俺の次くらいに強いから大丈夫だよ!」  本気でそう言っているのか、斗和を励ますための冗談なのか。千歳には分からないが、とにかく斗和の元気が戻ったのでほっとする。  車のエンジン音が近づいてきて、静かになる。部屋の電気を消し、三人は玄関すぐの部屋へ隠れた。  レグルシュが玄関のドアを開けたタイミングで、千歳は二人に合図する。 「お菓子をくれないとイタズラするぞーっ!!」 「は……っ?」  ユキと斗和はレグルシュの両脇に抱きついている。お菓子を差し出す選択肢を与える隙もなく、二人はレグルシュの身体を揉みくちゃにした。 「レグ。おかえりなさい」  何が何だか……となっているレグルシュに、千歳は「ハッピーハロウィン」と種明かしをする。薄暗い玄関の明かりをつけると、微笑を浮かべるレグルシュと目が合った。 「なるほど。そういえば、会社でお菓子を配られたな」  レグルシュの鈍感さに、千歳は笑った。おかえりのキスを千歳からするときに「驚いてあげてください」と耳打ちする。 »続く
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「ぱぁぱ。斗和くんこわいでしょ? 泣いちゃう?」  怖がらせるために仮装した息子を抱き上げると、レグルシュは感極まった表情になる。 「かわいい……」  レグルシュはいつものように頬擦りし、斗和をぎゅうぎゅうと抱き締める。 「レグ! お菓子!」 「お前は仮装しても食うことしか頭にないな」 「もう、レグ。今日はそういうイベントですから」  しかし、レグルシュは斗和を抱いていて、お菓子を差し出せる状況ではない。 「お菓子をくれないならイタズラだー!!」  ユキの一声で、可愛いと言われて凹んでいた斗和も元気を取り戻す。  子供達が考えたイタズラとは、くすぐりの刑だ。ユキは足元を、斗和は仕事帰りで綺麗に
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天使達は狼男になっても可愛いんだろうな〜💕 斗和くんの心配が可愛すぎる💕私も千歳と同じくそんなレグは想像できなかったけど(笑)小さい斗和くんは本気だもんね✨ ユキ兄がいてくれて良かった! イタズラも大成功でよかったね!! みんな元気そうだ〜☺️ 久しぶりの天使達に癒されました♪ ありがとうございました🎃
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ユキくん斗和くんかわいすぎです💕
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お読みくださりありがとうございます♡ どんなイタズラをしてもレグルシュは許してくれそうですね笑
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