エブリスタ
さがす
本棚
通知
メニュー
コメント
丑三つ時の俺達
Klora
2024/11/14 23:08
斬新な設定に感服します。
まず、独創的なイラストが、どうにもこうにも気になって仕方ありませんでした。なぜ気になったのか、説明できませんが、とにかくインパクトが強かったです。巷のイラストは、主人公と自分とを重ねたくなるような、夢見るキラキラ感があるものが多いように思うのですが、そういう空気はどこにもない、我が道を行く感じのイラストで、もちろん好みの問題も多分にあるのですが、自分にはとても印象深かったです。 幽霊である主人公の世界のとらえ方が、めちゃくちゃ斬新でした。死後の世界を、恐怖や驚きをもって描写する物語が多いなか、この作品の主人公は自然体で、どこか生き生きして見えます。死んだからといって、畏れ多い超越した存在になどなってはいません。おそらくは生前となんら変わらない感性のまま死後の世界を生きている感じです。そこが、すごくイカしてるのです。しかもそれが、不思議と違和感がないです。このような設定で描かれた作者様に、抜群のセンスを感じました。 主人公以外の登場人物もまた、まあ皆さんキャラが立っていて、濃い。とてもわかりやすいです。地の文で、○○は~と言った、のように書いてなくても、誰がしゃべっているのか一発でわかり、一切読者を迷わせないところも、すばらしいと感じました。私は爪の赤を煎じて飲まなければなりません。 バトルアクションも躍動的で、ユーモアも最高に楽しかったです。ワクワク感も、主人公を応援したい気持ちも湧きおこり、読ませる力を感じました。 恋人とのコンタクトを取ろうとする前半と、新たな想いに心を開いてゆく後半、どっちが軸なのだろう?というのが分からなかったのですが、タイトルの「丑三つ時の俺達」で、あ!そっちが主軸だったのか!と気づきました。あらためて考えてみると、後半に登場する彼が主人公に譲るシーン、あれはたしかに、ものすごくかっこいいんですよね。あれだけ想い続けてやまない彼女がありながら、それはないんじゃない?という感覚もあったのですが、いや、ないこともないかもしれない、とも感じます。性別の違いはあれど、優しいものは優しい。そんなことを思いました。
いいね
・
1件
コメント
・3件
水無月礼人
11/15 8:09
丁寧なコメント、とてもありがたいです。 ご機嫌な物語を書いていても、内心では独りよがりの展開になっていないかな? このシーン何をやっているのか読み手側に伝わっているかな? と毎回不安になっています。 受賞の際に編集さんから書評をメールで頂けたのですが、「主人公を刺したストーカーが、捕まったのか逃げたのか判らなくて気になった」とあったんです。 自分の中では逮捕一択でしたが、そうだ、書いてなかったよと気づきました。(現在は作中に逮捕されたと一文を加えてあります) 自分だけ解ったつもりで、読者さんには説明不足だったなと思った一件でした。 まだまだ改善の余地有りの作品ですが、読んで更に
いいね
・
1件
コメント
・
2件
Klora
11/15 11:04
描かれているシーンは、ものすごく明確に伝わりました。この物語は、特殊な背景でなりたっているので、それをちゃんと伝えるのは容易ではなかっただろうと思います。でも説明臭さがまったくないのは、素晴らしいとしか言いようがないです。 アクションシーンは特に持っていかれました。動作や位置関係などの物理的な描写だけなら、ただのアクションシーンですが、肝は、主人公の叫びが聞こえるところです。勝ちたい、ではなく、勝たなければならない、そういう温度感がぐわっと沸き立つところに、心を動かされるものがありました。
いいね
・
1件
コメント
もっと見る・1件
前へ
/
1ページ
1件
次へ
Klora