ねぎし

なんとなくSS。クリスマスすっとばしてすごく早い元旦ネタ。 意味もくそもありません。 ********* 「青、眠いよぅ……」 眠い目を擦りながら赤は言った。 「こっちだって眠いよ。でも、ほら。綺麗でしょ? 早起きするだけの理由があるじゃん。ここに」 そういって赤を後ろから抱きしめ赤を青に座らせるような体勢で頬を緩ませる青は、とても幸せそうだ。 現在、二人はとある建物の屋上にいる。海に近い建物で、初日の出を見るには最高の穴場だ。 太陽が海を照らし、海は優しいその光をさざめきながら緩やかに反射している。 カメラを持ってきた方がよかったな。 そう、青がつぶやいた。 二人共普段から写真を取るわけでは無いが、自然の美しさがありありと見て取れるこの風景はそう思わせるほどの価値がある。 「うん、そうだけど。でもやっぱ家でごろごろしたいなって」 「引きこもってたらつまらないよ。一緒に初日の出、見たいって言ったのは赤だよ。連れてきてもらって嬉しいくせに。素直じゃないなぁ」 そういって青は赤を甘やかしてくれる。 捻くれた赤にはそれが溜らなく申し訳なくて、ありがたくて、嬉しいがすごく照れくさい。 赤は顔を呼び名の通り真っ赤にさせて俯いた。 「あのね」 「何、赤」 今年も、ずっと甘やかして。甘やかしすぎて蕩けちゃうくらいに。 早口で、でもしっかりと青の耳に届いたそれに、青は満足そうに微笑んだ。 「当然だろ。お前を甘やかすことが、俺の人生最大の目標だ!」 青は赤の頭を思い切りかき撫で、そして片手で今よりも強く抱きしめる。 その頬が一刷け赤かったことは、二人きりの空間では誰も気づかない。 ****** おしまい! 読んでくださった方、ありがとうございます(´ω`*)

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