東雲健太郎

 私は常々、現行憲法を破棄してしまえと考えている。帝国憲法を改正したものに戻すべきなのだ。  日本は大東亜戦争に負けて、GHQに占領された。これだけならまだどうにかなったかもしれないが、大日本帝国憲法悪玉論に騙されて、日本国憲法を押し付けられてしまった。  そもそも、占領地域の憲法を変えてはならないと国際法で決まっているのだから、こんな子供の落書きのような日本国憲法は即刻破棄すべきなのにも拘わらず、日本人はまるで信者のごとくこんなものを崇め奉っている。  無論、サンフランシスコ平和条約に調印し、主権を回復した後、さっさと憲法改正すれば良かったのだが、頭でも狂ったのか今尚改正の一つもしていない。  あり得ない。  ドイツでも、既に六十回以上も憲法を改正している。  私は、その国の憲法とは、その国の人間が作るべきだと考えている。というよりも、それは常識だ。  フランスの憲法も、ドイツの憲法も、アメリカの憲法も、全て自国の人間が考え、書き、施行している。  なのに、日本だけ、他国のバカみたいな若者が適当に書き上げたメルヘンチックな小説もどきの憲法を後生大事に抱えているとは笑止千万だろう。  安倍氏が良く使う『戦後レジームからの脱却』の最終目標とは、すなわち、日本の憲法を、日本人が書いたものにするということだ。  そして、誇りを取り戻すことだ。  戦後六十七年が過ぎた。  いつまで敗戦国でいるつもりだ。  いつまで戦後のまま思考停止しているつもりだ。  このまま永久に平和が続かないことぐらい解るはずである。その時になってから、日本国憲法で云々と騒いでいても、この国を護れないのだ。  多少なりとも危機感を持って欲しいと、私は切に願う。
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