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中島敦の『文字禍』読了。 著作権切れた作品を集めた、○空文庫です。 文豪?の作品を手軽にパソコンでも携帯でも読めるなんて、いい時代になったもんだ。 中島敦、やっぱり面白いなあ。好みです。 『山月記』や『狐憑』あたりを読むと、トラウマになりそーですが、『悟浄歎異』は悟浄のキャラクターが面白かった。 悟空と三蔵に対する観察力が見事で、ひたすら悟浄の脳内独り言(手記か?)なんですが、キャラクターが立ってました。 確か、中学か高校の問題集で『悟浄歎異』を読んで、面白くて読み返した記憶が。 対して『文字禍』は、星新一テイストでした。 いえ、中島敦のが古いですが。 子供の頃に読んだら、トラウマっぽくなっていたかもだけど、今読んだら真顔で本気でギャグ言ってるとしか思えない箇所が(笑) 「ちょWWゲシュタルト崩壊WW」 「それ、ただの老いじゃね?WW」 とツッコミながら読んでました。 『名人伝』も笑いながら読んだとこありましたが、『文字禍』も噴きつつ読みました。 全然お洒落じゃないユーモアの中に、考えさせる要素をこれでもかと叩き込む中島敦、すげえ!(笑) 歴史書に記されなかった歴史はどうなるのですか?と聞いた歴史家の青年に、記されなかったことは無かったことだ、と博士が答えたのが印象的でした。 まあ、そうなんですよね。 で、何が怖いって、歴史書を書き変えてしまえば、歴史は変わるんだってこと。 そうやって歴史から消えてしまった国もあるでしょうし、善人がさも悪人のように書かれたものもあるかもしれません。その逆も。 アトランティス大陸は、プラトンの著作に書かれていたものだと知ったとき、私の中でアトランティス大陸は無かったことになりました(笑) プラトンなら、大陸の一つや二つ、想像で創造しかねん。 私の中でプラトンは、哲学者であり、ファンタジー作家です。ええ、偏見ですが。 この先、何かあって人類が滅亡して、第二の人類が生まれて。 運よく私達の時代の書物が発掘されて、それを科学者達が必死で解読して。 その書物というのが、妹萌え漫画とか、○様ゲーム系の話だったら、どうなるんだろう。 「我々の前にいた人類は、血の繋がった者に興奮を覚えていたようです」 「人類が滅亡したのは、隕石の衝動と考えられてきましたが、どうやら、命令を聞かねば死ぬという、謎の死病により大半が死に絶えたと考えられます」 ……楽しい(笑)
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