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才野茂大好き
才野茂大好き
2013/2/27 23:58
暇だから短編小説書いてみた。 「お兄ちゃん、今日は部活はどうしたの?」 妹の敦子が言った。ここは市民アパートの八階、俺と敦子が二人きりで暮らしている。 「そんなとこ座ったら、危ないわよ」 俺が窓枠に腰掛けているのを咎めて、敦子が言った。 「平気、平気――で、考えてくれた? 例のマジックのこと」 俺は部活のことから話題を反らして言った。 「美女の胴体切りでしょう? 今度の文化祭、私に出演してくれって。私、マジックなんて出来ないよ」 「なあに、トリックを仕掛けるのは俺さ。お前は黙って台の上に寝てりゃいいんだ。なんだったら、痛さに悲鳴でもあげりゃあ、リアリティがあっていい」 「……ばか。だいたい私、美女なんかじゃないもん」 「そうかなぁ、敦子、可愛いよ。なんだったら美少女でもいい。ふふふ」 途端に敦子は顔が真っ赤になる。 「ばかばか。兄妹で、なに言ってんのよ」 だが、敦子も知っているのだ。俺達が、本当は、血の繋がらない兄妹であることを。 「もう、ばかなこと言ってないで、さっさと部活いけば?」 拗ねたように、敦子が言った。その様子がいじらしく、愛らしい。 俺は不意におかしくなって、笑い転げて後ろにもたれ掛かった。 そしてそのまま、窓の外へ真っ逆さまに落ちていった。
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・1件
ic-Myn(井向193)
2013/2/28 17:45
多分僕じゃこのレベルのをパッとは書けない… ギャグ的な意味でも、あともちろん伏線テク的な意味でも。
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