童子

依頼にありました、辛口にて再レビューさせて頂きます。 まず正直な感想としては、良い意味で驚きました。 以前読んだときから、ここまでの展開に持ってくるとは予想外でしたね。 序盤はフランクなノリで展開されますが、そこからファンタジーな要素が入り、更には戦争の現実・悲劇と云った部分まで展開されるのには脅かされました。 作中で触れられた教育と云う名の<洗脳>は、戦時中の日本でも実在していたことであり、言い方を変えれば現在でも続いている教育の在り方です。 価値観とはその時、その状況・環境により決まってきますが、本作品では戦時下と云うことであれば納得のいくものでした。 辛口と云うことなので言いますが、それらの真実・事実を告げる際や、告げた後の描写は物足りなさを感じます。 やや短絡的な、アッサリし過ぎと云った感想を抱きました。 もう少し書き込みや、心理・内情の変化を詳細に書き表した方が前半部分とのギャップが引き立つとは感じます。 それと当初は戦争に関する最大のテーマである『核』についての記述がないなと感じていましたが、後に『疑似核弾頭』と云った単語が出てきており、それについては中々面白いアプローチだと感じます。 ですが現在出ているのはその単語のみで、正直それだけでは物足りないとも感じました。 核とは第二次世界大戦で終戦を告げた兵器であり、更には日本を実験台として唯一使用された、世界最悪の武器です。 第二次世界大戦を引き継ぐ話であるならば、核の話しは切っても切り離せない存在であり、核の保有は戦況に多大な影響を与えるものでもあるからです。 まあ、簡単にでも良いとは思いますが、多少は作中で触れておいた方が作品のリアリティの観点から無難だとは思いますね。 以前よりも描写に上達が見られ、更には展開も面白かったです。 作者様の今後の更なる成長に期待します。 以上です。失礼しました。

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