N.k

>>続き 「雨上がってよかったね」  必ず、私の前で立ち止まり、声をかけてくれます。 「今日、図書室で図鑑見たけど、君はどこにも見当たらなかったよ」  私も、この躯の名を知らないのです。何処からか運ばれて、目を覚ました時には、此処に居たのだから。 「まなみ、何してるの、こんな所で」 「あ、ママ、お花みてたんだよ。ねぇ、ママ、このお花、何て名前なの?」 「うーん…、ママにもわからないなぁ」  小さくしなやかな手が私をくすぐる。 「ねぇ、摘んで帰ってもいい?」 「ダメです。お花も生きてるんだから、可哀相でしょ。さ、帰るわよ」 「はーい……、お花さん、バイバイ」  長く伸びた影が、まだ此処に居たいと言っているようでした。  有り難う、という声が届かないのが残念です。  同じ姿であったなら、どんなによかったか、そう思うと、心は切なく軋みます。  私は、口も聞けぬ道端に根を降ろした花です。  いつ踏まれてもおかしくはない、危うい場所にいるけれど、心配しないで。  時の流れと共に朽ちていくのが、私の運命です。  けれどもし、運命が尽きる前にその日が来るのなら、誰の手でもなく、あなたの手で。  それまでもう少し、私は此処に居ます。  あなたに会える毎日を、楽しみにしています。  いつ終わりが来ても後悔しないように、その一瞬を、焼き付けましょう。  あなたが、いつ心変わりしても、恨み言を言ったりしません。  この声は、決してあなたに届きはしないけど、一つだけ、お願いがあるのです。  朽ちてしまう前に、その手の中で。  この躯を手折るのは、是非、あなたの手で。  伝わることのない想いが風に掠われて、一日はこうして終わってゆきます。  処女作(爆)つまらねぇ_| ̄|○ 酷い(p>д<q) 2006年の初夏に書いたものらしいです(-""-;)わざわざ新規作成して載っけるまでもねぇww
3件・4件
いや………… 感動した(゚Д゚)✨✨✨✨ 流れる雲のような、そよ風のような… 切なさと美しさを感じました…φ(・ω・`)
3件
(@ ̄□ ̄@;)!!勿体ない言葉です~(f´・ω・`? 他サイトにぶん投げたお話です(ノ_・。) でも、ありがとうございますm(__)m
2件

/1ページ

1件