「俺、流雲。お前のこと、そんな好きじゃねえけど、やんならどーぞ?」 「知らね。そんなやりたいなら他いけよ。俺ならそうするわー」  いきなり蹴り付けた。 「俺に何様のつもりで話しかけた?俺は大卒なんてクソ喰らえって思ってるんだぜ」  大学受験を前に、まったくやれやれだぜ。 「勉学しても手にできるとは限らない金。それでもお前はそのまま志望すんのか?職種は小説家って言ってたくせに!」 「なんだ、お前も、諦めきれない夢があるのか」  痛んだ腹部をさすり、サロマは立ち上がる。 「俺、多分二浪するんだ。それでも親がいいって言ったから、行くんだ」 「へ、しがねえな。俺ならバイト兼業でも小説

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