ひとつ物語をあげるねφ(゜゜)ノ゜ 『若恋』ミニ話 さらさらと、桜の花びらとりおさんの少し癖のある黒髪が風に舞っている。 「榊さん、見て!桜、とてもきれいね」 桜を見上げるその柔らかい眼差し。 桜舞う風の向こうには若がいて、その隣には若の見合いの相手がいる。 組長が乗り気の縁談相手だ。 その見合い相手より、若は桜を見上げるりおさんの姿を目で追っていた。 『命令だ、榊。奏からその女を引き離せ。いくら奏の命の恩人だと言っても所詮住む世界が違う。どんな手を使ってもいい。おまえに任せる』 組長は気づいていた。 若に芽生えた小さな想いに。 それは組の未来を考えればいずれ邪魔になることだと。
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