登場人物が自分の中でリアルに生きていると、おはなしとしてのおもしろさとの間でどうしてもせめぎあいが起こりますよね。 彼らは人をおもしろがらせるために生きているわけではないですもんね。 私はいつもそこで迷います。 書き手としては、自分の中に生きている登場人物たちを読み手の心の中にも同じように生きさせたくて、そのためにはある程度読者へのサービスが必要で。 おもしろい出来事を起こしてみたり、魅力的な風景を描いてみたり、印象的なセリフを言わせてみたり、おいしそうなごはんを出してみたり…… でも、「こんな行動をとらせたらこの子がこの子じゃなくなってしまう」とか「こんな出来事は彼らの世界のリアリ
1件

0/1000 文字