(1ページ目続き) 「星空ね……」  この夜空では夏の大三角すら拝めないだろうと、リンは内心で嘆息した。とはいえ、アトラクションは楽しみなので、気を取り直して前を向く。先頭は、まだまだ先だ。  |九十九《つづら》折りの行列を抜け、やっと二人の順番が回ってきた。幸運にも、座席は先頭。気分を急上昇させながら、リンは鼻歌交じりでライドに乗り込む。  その時、天井付近の安全確認ミラーに映る機関車のヘッドプレートが、彼女の視界の端を|掠《かす》めた。  座ってから、リンは自分の見たものの意味に気付いた。  鏡に映ったヘッドプレートは、|999《スリーナイン》ではなかったか?  リンが顔を上
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 蒸気機関車を模したライドが、ゆっくりと動き出す。  前に、後ろに。揺れとスピードに比例して、乗客の悲鳴のような歓声も大きくなる。リンとクリスも、都市伝説などすっかり忘れ、汽車のスイングにあわせて声を上げた。  ライドの最高到達点が、徐々に上がっていく。  折り返すその一瞬、訪れる速度ゼロ。身を包む浮遊感が、興奮を加速させる。  何度目かの、前方へのスイング。  今までで最も高い到達点で、リンは叫ぶために息を吸い。  その瞬間、世界の速度がゼロになった。  揺り戻るはずのライドが、周囲の歓声が、自動で色を変える照明が、リンの顔周りで広がった彼女の髪が──リンの思考以外のすべてが静止する
(2ページ目続き)  たった二人、ロケットでもない乗り物で、宇宙服も酸素ボンベもなく、目くるめく銀河の輝きを|目《ま》の当たりにしている──科学的に、あり得ない。 「急に、目の前に女の子がいて、銀河の旅に招待するって」 「それは俺も見た。もしかしてこれが……!」  一拍の間をおいて、言葉にならない興奮が、二人の口から|迸《ほとばし》った。 ーーー2ページ目ここまで。 ルビのせいで、原稿が長くなっており恐縮ですm(_ _)m💦💦エディタに流せば、本文としてはギリギリ3000字に収まる…ハズです! あ、2ページ目の分割箇所に空白行は入りません。文の改行のみで処理いただければ幸いです。
 そこからは、座席から(安全バーは動かなかった)の観望会となった。 「わし星雲よ! 暗黒星雲の柱が見える。しかも動いてる!」 「銀河団だ──リン、向こうで銀河が衝突してる!」 「土星がこんなに大きく見える! ああ、私たち、宇宙のどの領域にいるの?」 「肉眼で見る宇宙がこんなに鮮やかって、見えてる波長がバグってるのか? 」  なまじ天文の知識のある二人は、目に付いた星雲や銀河の名前を、興奮しながら次々と口にした。  汽車は星々の間を進む。やがて、名もなき星が視界の大半を占めるようになった。  輝き。揺らぎ。衝突。誕生と死。そこには星の全てがあり、二人は黙したまま、その姿にただ見とれ、
(3ページ目続き)  すかさず応えたクリスが、リンをすっぽりと腕に抱きしめる。  さざめくように笑いあい、恋人たちは互いに唇を寄せた。  二人の搭乗する火星探査フライトまで、あと十日の夜のことだった。 ──了── ーーー3ページ目ここまで。 以上です。3ページ目の分割箇所てすが、セリフと地の文なので、間に空白行を1つお願いします。 結局どのページも分割する羽目に😱編集の手間を増やして申し訳ないです。 更にすみません、送った原稿で早速ミスが…。2ページ目の冒頭ですが、お手数ですが本文の前に、空白行を1つ入れていただけないでしょうか。 このへんは趣味の問題とは思いますが、ページ
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明島様✨ こんばんは😊 原稿は明日までにとの事でしたのに早速送って頂きありがとうございます✨ 後ほどゆっくりと読ませて頂きますね。 明日またメッセージを送らせて頂きますのでよろしくお願いします🙇💦
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明島様✨ 昨晩は作品へのコメント、応援ありがとうございます😊 一通り作品に目を通させて貰いました😌 全体的にクオリティが高すぎます…✨2ページ目から3ページ目にかけての銀河の表現が特に美しく、情景が目に浮かぶ様でした😊 そしてクリスの目の表現、デネブの輝き…ここからもロマンを感じます✨ 2点ほどお聞きしたい点があるのですがよろしいでしょうか…? ①楽しめた──な二人が最後に挑むのが、現在順番待ちをして の楽しめたの後のなはそのままですか…? それとも打ち間違いでしょうか…? ②眼の茶いろのいろはこのまま平仮名表記で大丈夫でしたか…? この2点だけ確認よろしくお願いします🙇
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浅海さま 早速の、しかも丁寧なご確認ありがとうございました! ①楽しめた──な…の「な」の位置ですが、確かに変ですね😅ダッシュが挿入される前の、「空振り続き」の直後に移動させていただけないでしょうかm(_ _)m ②の「茶いろ」ですが、これはこのままキープでお願いします。 後書き(この後送ります)でも言及しますが、実は、この女の子は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」からの引用で、この部分も「眼の茶いろ」と表記されているのを真似たものです。 せっかく同一タイトルなので、当方なりのオマージュ表現として使っております。 浅海さまのコメントで、作品にかなり自信が持てました。ありがとうございます🥺✨✨
浅海さま というわけで、後書きをお送りします。 宜しくお願いいたします🙇✨ ーーーここから 酷暑お見舞い申し上げます。 リレー詩参加で調子づき、今度は都市伝説に挑戦しました明島御影です。 そもそも当方、オカルトやホラーは苦手です(遊園地の作品、どうしてホラーテイストが多いんだ…😱)。そのため、本作も都市伝説なのに、ホラー要素はありません。 いや、科学的にはホラーか? なにしろ普段着で宇宙行きますからね。 ただ、これだとロマンティックというより「宇宙の浪漫」的な? (……漢字にすると全然違うものに見える不思議。) あれ、イチャイチャは?? というか、これが最後のアトラクションの作品でホ
明島様✨ あとがきありがとうございます😌 あとがきに私のお名前なんかを出して頂きありがとうございます😌 でも私は本当に何もしていないからこのお2人と名前を連ねるのは気が引けてしまって…出して頂いてこんなお願いをするのはどうかと思うのですが、そこの部分を運営スタッフさま、に変えさせて頂きたく思います。 よろしくお願いします🙇 直しの件了解致しました✨ 何か意図があるのだろうとは思っていたのですが、聞かないよりはいいのかなと思いまして…💦 気付かずにお恥ずかしい限りです😣 オマージュ、銀河鉄道の夜が好きな方ならすぐに気付いて喜んでくれると思います。 明島さまのこのお話全体に作品への愛情が込めら
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浅海さま こんばんは☺️ ご確認ありがとうございました。 お考え、承知いたしました(いやでも、編集してアップして下さってホントに大変だと思うし有り難いのです🥺✨✨) では、「最後になりましたが〜」の一文は、下記に差し替えていただけますか? 最後になりましたが、本企画主宰の絵空事さま、福子さま、運営スタッフさま、企画に参加された方々、お読みくださったみなさま全てに、星の数の感謝を。 そして、更に厚かましいお願いなのですが、一部修正を反映しないままお送りしていたことが判明しまして……。 3ページ目の「自分が目を開けているの分からなくなった。」なのですが、以下に差し替え可能でしょうか。
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