「ごめん、ごめんね、央! この通り! 謝るから! だから……」  最後のほうは涙声で訴えかけるふーみん。央にマジぼれなんだろうな。フツーの男だったら、そろそろ陥落してもいい頃なんだが…… 「おぉっ、マジうめぇぞこれ。おまえも食ってみ。あの娘さ、自分の存在意義を賭けて、必死に修行したんじゃね? 涙ぐましくね? 愛されてんなぁ、おまえ。お兄さん嫉妬しちゃう(笑)」  一八の茶化しに、すかさず足蹴を入れる央。ここは央が一人で住んでいるマンションの一室だ。実家がもともと太いのに加えて、不動産業やっている縁者がいて、ワンルームだけどタダで住まわせてもらっているそう。 「アホか。何だよ、存在意義って」
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