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クリエイターインタビュー 金沢伸明(ぱっくんちょ)

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Creators Interview 「発想力だけは、人に負けない気がした。」 -『王様ゲーム』シリーズ著者 金沢伸明さん-

金沢伸明(ぱっくんちょ)Kanazawa Nobuaki

会社経営をしながらエブリスタに投稿した『王様ゲーム』シリーズが、書籍化、コミック化、映画化される。書籍とコミックは双葉社より刊行され、書籍は累計430万部、コミックは累計240万部(2013年4月現在)の大ヒット。映画も2011年12月に公開され、話題を呼んだ。

金沢伸明さん

それまで小説を書いたことはなかった

小さな頃からモノを作るのが好きで、ちょっと奇抜なものを作って、賞をもらったりしていたんです。投稿を始めるまで、小説や小説に近いものを書いたことはまったく無かったのに、「ひとつの物語を作ってみたい」という思いが強くなった。自分に文章を書く能力があるとは思えなかったけど、発想力だけは他の人に負けない気がしたので、「ある日、高校のクラスメイト全員に“王様”と名乗る人物から命令メールが届く。その命令がどんどんエスカレートしていく」というストーリーを考えて、『王様ゲーム』というタイトルで投稿を始めたんです。投稿を始めたのは自分で小さな会社を立ち上げた頃で、業務打ち合わせの前とか、トイレやお風呂の時間を使ってケータイで書いてましたね。読者ゼロからのスタートでしたけど、中高生を中心にどんどん口コミで広まっていきました。1日に2万人も読者が増えたことがあります。「クラスメイト全員に恐ろしい内容の命令メールが届く」ってストーリーなので、読んでいる途中に誰かからメールが届いてケータイが震えると、小説の世界とリアルの世界が入り交じって、すごく怖がってくれて……。自分がまさに狙っていたことだったので、その反応はうれしかったですね。

熱く語る金沢伸明さん

とにかく速く、速く、速く!

今まで“王様ゲーム”って言葉を聞くと、誰もが「コンパで使うやつだろ」って言っていた。でも、この作品に触れてくれた人は「あの怖いやつだろ」って言ってくれる。自己満足を承知で言うと、“王様ゲーム”っていう言葉の定義を変えたんだ、ほんの少し時代を動かしたんだって気持ちです。その「こわい、こわい」「先が気になる」って気持ちを煽るために、仕事の空いた時間にとにかく1日2ページ書いて、夜更新。「とにかく速く、速く、速く!」を重視して書いていました。読者のリアクションも速い。更新して数分後には「面白い」「微妙」とかのリアクションがある。面白くないと、読者数がガクッと減るんです。

コミック化された王様ゲーム

ページ単位で反響がわかるのがうれしい

ページ単位で読者の意見を聞けたり、反響がわかるなんて、投稿サイト以外では出来ないですよね。だから、読者のリクエストで「そっちの方が面白い」と思えたら、柔軟にストーリーを変えていきましたね。「あ、自分の意見を取り入れてくれた」って思ってくれた時に、読者も共同意識を持ってくれるし、僕の中にも作品は「みんなで作ったもの」という気持ちがあります。ただ、たまには読者の期待を裏切ることもしないとストーリーが単調になるから、そのさじ加減が必要。みんながどんなことに興味を持ってるのか? その興味に対してどんな流れを提供するべきなのか? 投稿サイトのライブ環境は「小説の作り方」を学ぶという意味でも、すごく役に立つ場だと思います。『王様ゲーム』の書籍化が決まった時は、「おぉ、自分が作家になれるんだ」って思いました。「今度本を出すんだよ」って伝えたら、親もびっくりしてました。作家って「物を知ってて、文章を書けて、すごい」っていうイメージがあるじゃないですか。両親は今もずっと応援してくれています。僕よりも詳しいですもんね、売上ランキングとか、どこどこの書店で売ってるとか。親の勤め先に入ってきた新人が『王様ゲーム』を知ってるのも、鼻が高いみたいです。書籍化の次にコミック化、その次が映画化……。「知ってるよ」「読んだよ」「見たよ」って言ってくれる人がどんどん増えていくのが、うれしかったですね。

王様ゲームは様々なメディアへ

宝くじだって、買わないと当たらない

僕のような素人でも、自分の「発想力」という強みを生かして投稿を続けて、プロの作家になり、書籍化、コミック化、映画化されたんです。計算してみたら、時給15万円の換算になるくらい稼いでいた時期もありました。プロ野球のスター選手たちと同じように、作家だって夢のある職業なんだってみんなに思ってもらいたい。だから、書き手も、読み手も、新しい書き手や作品が生まれる場として、もっと手軽にエブリスタに参加していいんじゃないか。「誰にでもチャンスはあるよ、宝くじも買わないと当たらんよ」って言いたいですね。みなさんの成功を、僕も心から応援しています。

創作のヒミツ - 金沢伸明さんの場合 -

COLUMN
王様ゲーム

いろんな人を観察して、自分の中に無い発想をどんどん取り込んでいくのが好きですね。自分1人の発想には、限りがある。だから、いろんな人を見たり、話を聞いたりしながら、その人の考え方や行動をヒントに登場人物やストーリーを創り上げていく。僕は、何かに“肉付け”するのが好きなんです。良い意味で「変わりもの」が多いのは、会社の経営者ですね。独自の考え方を磨き上げて、ユニークな行動をしている人が多いですから。彼らと話をしていると、いろんな発想が湧いてきます。知識も豊富だし、モノやサービスの作り方から売り方まで、幅広く分野の勉強もできますし。自分より若い子たちとも、機会があればなるべく話すようにしています。20歳前の若い子たちと話をしたりすると、昔は自分も持っていたのに今は忘れてしまっている感覚を思い出す。取り戻したその感覚が、小説を書く上ですごく役に立ったりします。