一夜明けて

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死神は身支度を整えると、満月の光が照らす、闇の世界へと獲物を求め、踏み出した。 今回の目標となるのは、ユエルア家だ。 死神は黒衣を身に纏った姿で、ふわりと飛び立つと、ユエルア家の住居へ真っ直ぐ向かった。 何分間飛び続けた事だろうか。 満月も闇の頂点に君臨する頃に、ユエルア家の門前へと辿り着いた。 「さて、どうしたものか……」 死神は一人そう呟く。 彼は何時もそうだ。具体的な戦略など立てずに、その場の思いつきで行動する。 そう言った部分では、未だ人間らしさが残っているのかもしれない。 「今回は、派手に行くか」 そう呟くと、死神はその武器である大鎌を取り出して、構える。 そして、大きく門へ向けて一振りした。
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