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その瞬間に、門は轟音を立てて見るも無残に破壊されてしまった。
「所詮、こんなものか」
死神は溜息交じりにそう呟くと、開いた道からゆっくりと中へと入って行った。
門を入ってすぐに、警備兵からの攻撃魔法が飛んでくる。
それを顔色一つ変えずに、振り払う。
「皆、気をつけろ。こいつはあの門を、いとも容易く破壊したんだ」
指揮官と思われる兵が、警備兵全員にそう忠告する。
実はあの門、何重にも結界魔法が張られていたのだ。
並みの魔法や打撃では、絶対に破壊されないような高度な結界が。
それを一撃で破壊してしまう彼は、最早化け物と言えるだろう。
警備兵たちが死神との距離を、保って様子をうかがう。
「何だ。ただの腑抜けどもか。なら相手をする必要性も無い。あとで遊ぶとしておこう」
死神はそう呟くと、小さく嘲笑って、歩を進め始めた。
その姿は死神という名に、違わないほど、威風堂々としていた。
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