一夜明けて

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屋敷内でもたくさんの兵が姿を現したが、まるで初めからその場にいなかったかの様に、ゆるやかに歩く。 静かに、ゆっくりと。 剣を振り上げ向かってくる者は、手の鎌で引き裂き、魔法などは肩で風を切るようにして、歩いていた。 そして、すれ違うものはすべて斬り殺す。 その手は見えずに、まるで通り過ぎた途端に体が切り離されたかのように見えてしまったのだ。 「さて、奴等は何処にいるのか?」 ゆっくりと魔力を風に纏わせ、屋敷の中を調べる。 「……あそこか……」 そう呟きまた歩を進めていく。 迷う事無く、目的の場所へと歩いて行く。 まるで自分の屋敷であるかのように。 やがて彼がたどり着いた場所は、一つの部屋。 扉をゆっくり開ける。 それと同時に、ひと振りの剣が自らを襲い来る死へと下される。 だが、絶対の死に抗う事は事は出来ずに、吹き飛ばされる。 「無駄な事を……」
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