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目の前の少女は死神の、無意識の一言に、反応する。
「リース? 貴方……もしかして……」
少女の発した言葉に、死神は鎌を下した。
そして、暗がりでよく見えなかった互いの顔が、青白い月明かりに照らされて、見えた。
「ジク……ト……」
「シーナ……ユリア……」
互いの名を呟いてしまう。
一瞬、沈黙が流れた。
「何で……何で貴方が死神なの?」
シーナは、目の前に居る死の化身に向って、問いかける。
だが、死神は何も答える事は出来ないまま、驚きをそのまま顔に張り付けている。
そして、この一瞬の隙を逃す訳も無く、シーナの兄は一瞬で剣を拾い、死神へと斬りかかった。
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