第四章~ワールシュタットの戦い~

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次の瞬間、敵が反撃を開始した。 一斉に撃たれる銃弾や砲弾が、正確に味方の戦車、そして兵士に命中していく。 上空を飛行していた味方航空部隊も敵の攻撃により、次々と撃墜されていく。 内部に突入した部隊からも連絡が途絶えてしまった。 恐らく、敵の反撃で壊滅したのだろう。 その時、司令部から通信が入る。 「“敵部隊の増援を確認。包囲される前に全軍撤退せよ。繰り返す、全軍撤退せよ。”」 部隊が来た道を引き返していく。 後続の部隊は、次々と敵の攻撃により撃破されていく。 辺りから連合軍兵士の叫び声が響いていた。 次々と倒れていく仲間達・・・・。 悪夢を見ているようだった。 〔2時間後。連合軍基地。〕 帝国軍の猛攻を受け、部隊の大半は要塞前で撃破され、その後追ってきた追撃部隊の攻撃で更に撃破された。 気が付けば、無事撤退した連合軍兵士は作戦に参加した兵士の約半分しかいなかった。 負傷している兵士もいる。 衛生兵が必死に負傷した兵士を治療している。 断末魔の叫び声が基地全体に響き渡る。 シンディも、負傷した兵士の治療をしていた。 負傷した兵士の中には、酷たらしい姿の兵士もいた。 中には、片足や片腕が無い兵士もいた・・・・。 余りにも酷い状況であった。 翌日、要塞攻略に参加した5万人の連合軍兵士の内、2万人の死傷者が出たという事がわかった。 戦争始まって以来、連戦連勝をしてきた連合軍は、初めて帝国軍に負けたのである。
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