第２次欧州戦争

第一章～リール市街地戦 前編～

〔西暦2021年2月16日。アミアン市郊外。米軍基地・作戦室〕「フランス軍より救援要請が来た。現在フランス軍はリール市にて市街地戦を展開中。敵の猛攻により苦戦している、我が部隊はリール市に急行。防衛部隊と合流し、敵を撃退する。」〔2月17日0345時。リール市内。大通り〕「軍曹！２時の方角より敵戦車接近中」「ロケット弾用意！目標敵戦車！」「ロケット弾用意よし！」「撃て！」バズーカ砲から発射されたミサイルは、敵戦車に突き刺さり爆発。戦車は粉々に吹き飛んだ。「目標命中！敵戦車大破！」「やったぞ！」「油断するな！次が来るぞ！」その時、建物の壁を突き破り戦車が出てきた。「くそっ！」敵戦車は、防衛陣地目がけて砲弾を発射した。次の瞬間、防衛陣地は跡形もなく吹き飛んだ。〔リール市防衛司令部〕「第4小隊から交信が途絶えました。全滅した様です。」「援軍は、まだか？」「もう少しで到着です！」「急がせろ！」〔リール市郊外。帝国軍指揮車。車内〕「隊長、敵は総崩れです。」「よし、このまま包囲しろ。包囲網が出来次第、総攻撃を掛ける。フランス軍を皆殺しにするんだ！」「了解。」〔大通り〕「小尉！前方より敵戦車2両！接近中！」「もはや、これまでか！」隊員達が諦めかけた次の瞬間、前方の戦車が爆発した。隊員達が振り向く、そこにいたのは援軍として要請したアメリカ陸軍部隊だった。「援軍が到着したぞー！」「やったぞ！」〔アメリカ陸軍〕「各部隊散開！敵を各個撃破せよ。」「了解！」アメリカ軍の参戦により大通りの形勢が一気に逆転。リール市防衛部隊が優勢になったかに見えた。しかし・・・。次の瞬間、アメリカ軍戦車が爆発した。「なっ、なんだ！？」上空を高速で飛行する敵航空機がいたのだ。「まずい！待避しろ！待避！」突如出現した帝国軍航空部隊の攻撃によりアメリカ陸軍戦車隊に甚大な被害が出てしまった。〔リール市郊外。帝国軍指揮車。車内。〕車内からは帝国軍士官の笑い声が響いていた。「ふっはははは！馬鹿共めが！援軍が来る事は最初から知っていた！我が軍の航空部隊の前にひれ伏すがいい！」〔リール市街地大通り。〕「これでは全滅してしまうぞ！大佐、撤退の許可を！」「ダメだ！この戦いに負けたらパリは目の前なんだぞ！ここを死守するんだ。」「くっ、了解。」戦況は悪化する一方であった。この戦いで米軍・フランス軍の負けは決定的に見えた。