第三章~マース川の攻防戦~

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あの戦いが終わり、各地で連合軍の反撃が始まった。 帝国軍総合司令部は、ベルギー地方の完全放棄を決意、部隊をオランダ地方に集結させる。 一方連合軍は、オランダ解放作戦を開始。 第6師団をオランダ地方に向かわせた。 〔4月12日1130時。連合軍基地。作戦会議室〕 師団長と副官、そしてその他の小隊の隊長が薄暗い部屋の中に集まっていた。 「全員揃ったな。では、作戦内容を伝達する。我が第6師団はマース川に進撃、周辺一帯を制圧する。」 師団長の隣にいた副官が作戦の詳細を話し始めた。 「部隊は、マース川に建設された3つの鉄橋を渡り敵拠点を制圧する。ただし、第3小隊と第4小隊には別行動を取ってもらう。」 第4小隊の隊長が理由を聞きたいと副官に言った。 「うむ。理由は、マース川北東部に野砲陣地があり、多数の野砲が配備されているのが判明した。更に新型の野砲も判明されている事もわかった。第3小隊と第4小隊は、これを撃破してもらいたい。」 第4小隊の隊長が疑問に思っている事を副官に言った。俺も同じだった。 「野砲陣地の場所は地下深くにあり、攻撃時に地上に出るという作りになっている。だから、航空部隊の爆撃では効果は無いという事だ。」 納得した。だが、地上に出た時のみ攻撃出来ないのでは?と思い副官に聞いてみた。 「うむ。それについてだが、第3、第4小隊は準備ができ次第出撃。攻撃開始時刻の1900時までに所定の位置に到着せよ。攻撃開始時刻になり、野砲陣地が出現したら火力を集中し撃破せよ。」 「はっ!!」 敬礼をし、隊員達の待つ宿舎に向かった。 〔連合軍基地。第3小隊宿舎〕 部屋に入り、目に付いたのがチェスや読書を楽しむ隊員達だった。 「皆、作戦を伝えるから来てくれ。」 隊員達が集まってきてた、皆、真剣な眼差しで隊長を見る。 「隊長、次の作戦は何ですか?」 隊員が聞いてきたので、詳しく話した。 〔5分後〕 「では、直ちに準備に取り掛かれ。」 その時、1人の士官が部屋に入ってきた。 「ウィリアム小尉、新米を連れてきた。」 「どうぞ。中に入れてください。」 誰だろう?俺は、そう思った。隊員達も同じ気持ちだ。そして中に入ってきたのは・・・・
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