もとこ

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「大丈夫っす!」 非常階段に着いて、隣同士に座る。 少し密着している… 「先輩、なんすか?」 だいたい分かる。 先輩が俺に好意を持っているであろうことは。 「うん。あたし、もうちょいで引退じゃん?」 そんな時期である。 二年生の春、あと先輩が部活をしていられるのも三ヶ月ほど… 「そうっすね。早いっすね」 「ね。三年間なんてあっという間だったわ。あはは」 思い出話をしているうちに、息子は落ち着いて来た。 よがった、よがった。
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