青春編

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雀荘に行こう!意気込んだ彼は教科書代と当座の生活費として持たされたお金を持って、駅前にある雀荘に入った。彼は頭の回転はまあまあなのだが、世間知らずなのだ。坊っちゃんもビックリの無鉄砲である。 その雀荘はセット専門店で、フリーはやっていなかった。彼はフリー、セットなんか知らなかったので戸惑った。たまたま1人待ちで暇そうにしていた上品なオバチャンセットにノーレートで混ぜて貰って打った。それも今思えばよくやるなぁ、って感じがする。彼は麻雀が絡むといくらでも積極的になれるのである。彼はそこで生まれて初めての役満、国士をアガってトップを取った。 『賭けてたらよかったねぇ』と言って少しご祝儀を貰った。帰ろうとしたら、店長らしき人が『最近近くにフリー雀荘できたよ』と紙に地図を描いてくれた。オバチャン達の『頑張ってね』の言葉に頭を下げて店を出た。まさかここまで麻雀頑張り続けているとは想像もしていないだろうなぁ。
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