青春編

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地図を頼りに彼がやってきたのは少し寂れた商店街。メインストリートから一筋横に入ったところに、目的の建物を見つけた。 『麻雀塾、林檎』 塾であった。しかも、リンゴである。入り口がそのまま階段になっていて、店舗は2階にあるらしく、外からは様子はうかがえない。 何が塾で、何がリンゴなのか。さっぱりわからない。受験勉強から解放されたばかりの彼には、塾とか予備校とか模試とかはもう関わりたくない言葉である。リンゴよりは梨が好きだ。そのネーミングに首をかしげながらも彼は階段を登る。
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