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  「お腹空いたよう…ママに会いたいよう」  今夜もまた、"年少組"がぐずり出した。   「泣いたってダメ!どんなにいい子にしてたって本当の親は迎えに来ないんだよ!」 「そーよ、静かにして!あんたたちが騒ぐとハンニガン先生が怒るんだから!」   物事の道理が分かり出した"年中組"だ。 泣く子をいさめるが、ああ、でもそんな言い方をしたら。   「でも、そんなのやだあ、ママに会いたいよ、ああああん」   ほら。年少組には分かるまい。 大粒の涙を振り飛ばして、おう、おうと泣き出した。 「もう!仕方ないなあ、アリーサ達も年少組をいじめないの。本当にハンニガン先生が来たら、またご飯抜きだよ?」 「そんなのいやーよ!」 「なら仲良くして。ちびちゃんも泣くのはおしまい。院のみんなが家族よ。それじゃだめ?」 「…いい。あたしちびちゃんじゃない!」 「そう。じゃあ強くて泣かない子ね?」 「うん、わかった」  
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