2人が本棚に入れています
本棚に追加
「お腹空いたよう…ママに会いたいよう」
今夜もまた、"年少組"がぐずり出した。
「泣いたってダメ!どんなにいい子にしてたって本当の親は迎えに来ないんだよ!」
「そーよ、静かにして!あんたたちが騒ぐとハンニガン先生が怒るんだから!」
物事の道理が分かり出した"年中組"だ。
泣く子をいさめるが、ああ、でもそんな言い方をしたら。
「でも、そんなのやだあ、ママに会いたいよ、ああああん」
ほら。年少組には分かるまい。
大粒の涙を振り飛ばして、おう、おうと泣き出した。
「もう!仕方ないなあ、アリーサ達も年少組をいじめないの。本当にハンニガン先生が来たら、またご飯抜きだよ?」
「そんなのいやーよ!」
「なら仲良くして。ちびちゃんも泣くのはおしまい。院のみんなが家族よ。それじゃだめ?」
「…いい。あたしちびちゃんじゃない!」
「そう。じゃあ強くて泣かない子ね?」
「うん、わかった」
最初のコメントを投稿しよう!