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だってこんな色男と知り合いになった覚えなんてない…。それに自分は今まで外に出た事だって少ない。
だから私が知っている人物といえば今日街でリンゴをあげた…
(……まさか……)
自分の記憶上では1人しか思いつかない。
躊躇しながらも、マナはその人物の名前を口にした。
「……もしかして、ティキ?」
ティキ「ん、そんなに違って見える?」
満面の笑みを浮かべながらティキはマナの顔を覗き込んだ。
「ほ…本当に?だって眼鏡は……」
ティキ「あー、今はつけてねぇ…変?」
「そ、そんな事ないけど…;;;」
相当驚いてしまったのか、マナは固まったまま唖然としてしまった。
だって昼間の服装や、顔つきとは全くの別人みたいだったから……
本当に同一人物なのか疑ってしまうくらいに。
「全然違うから…ビックリした;;;」
ティキ「そりゃ、どーも……んで、お前はどうしてここにいんの?」
「さぁ…」
ティキ「さぁって、…まさか初めてとか?」
(す、鋭い;;;)
確信でもあるのか、マナの心中がわかっているかのようにティキは意地悪そうな笑みをしてマナの顔を見てくる。
図星という事もあって反論する言葉も思いつかない。
だって、初めてなんて言ったら…笑われてしまいそうな気がしたから。
「そ…そう見える?」
ティキ「いや、なんとく?…そんなら試しに俺と踊ってみるか、ほら……」
そう言ってティキはマナに手を差し出した。
細くて長い手…思わず魅入ってしまいそうになるけどマナはその手をなかなか取ろうとはしなかった。
その理由はただ1つ。
ダンスなんて一度も踊った事がないからだ。
ティキ「…1つ聞くが、踊れねぇなんて事ねぇよな?;;;」
「…う;;;」
またもや図星をつかれてマナは言葉を詰まらせる。
(まずい……踊れないなんて今さら言えない;;;)
だから、この場から逃げるためにもロードに助けを求めようとした……
が。
「……あれ、ロードは?」
いつの間にかロードの姿はどこにもなかった……
ティキ「ロードなら、随分前にどっか行ったぞ。」
「…う、嘘……;;;」
(突然やって来て、突然消える……ロードって一体何者??)
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