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「あ、あの…ティキ」
ティキ「ん?」
一通りダンスの基本も覚え、2人は外にいた。
何故そんな場所にいるのかというと、ティキが煙草を吸って一息つきたいらしいから。
マナの隣でティキは現在二本目の煙草に火をつけて、ひたすら口から白い息をはいていた。
「あの、ありがとう…練習に付き合ってくれて……///」
ティキ「あー、別に構わねぇよ…気にしてねぇし」
それだけ言うとティキは退屈そうに軽く息をついた。
「そっか…煙草、身体に悪くない?」
ティキ「ん?お前って煙草嫌い?」
「えっと、そうじゃないんだけど…さっきからずっと吸ってるから……」
マナは心配そうにティキが加えてる煙草に目を向けた。
心配するのも当たり前…だってさっきからひっきりなしに煙草を吸っているから。
すると、ティキは軽く微笑んで吸っていた煙草の灰を軽く叩いて床に落とした。
ティキ「あーこれ俺にとっての一番のストレス解消法だからさ……色々と事情が大人にはあるもんでね」
「ストレス解消法?」
ティキ「そ、だから煙草は手放せないってわけ。」
「そう…なんだ;;;」
ティキの返答にマナはなぜかそのまま黙り込んでしまった。
するとティキは意地悪そうな笑みを浮かべて、マナの顔を覗き込む。
そうされるだけで少しだけ胸がドクンと波打つ。
ティキ「……心配?」
「…えっと、心配っていうか///」
ティキが考えている事がよくわからない。
(やっぱり、ただからかってるたけなのかな?)
ティキはそんな彼女に対して目を一瞬細めた。
ティキ「お前って新鮮だよな…」
「へ、新鮮……?」
ティキ「いや、こっちの事だ…気にすんな。」
吸っていた煙草の火を押し消して立ち上がるティキ。
そのまま気だるそうに身体を伸ばしながらため息をついた。
ティキ「そろそろ、仕事にもどんねぇと……」
「仕事……?」
ティキ「そ、今日は仕事で来てるんだよ」
時間がきてしまったのか、ティキはとてもめんどくさそうに顔をしかめる。
「あ、あの……ティキ」
マナに背中を向けようとしたティキに声をかければ、きょとんとした顔で彼は振り向いた。
もしかしたら、このまま普通に見送ってしまったらもう会えないかもしれない。
そんな不安がマナの中で生まれていた。
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