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そう思い、マナは男の隣に座ると恐る恐る訊ねてみる事にした。
「あの、どこかで会った事あるかな……?」
すると、案の定……
男は不思議そうな顔をして首を傾げた。
男「いや、気のせいだと思うけど……」
男の言う通り、やはりこの人とは初対面……
気のせいだったのかな。
「そ、そうですよね……変な事聞いてごめんなさい。」
男「そういや、あんた名前は?」
男は煙草を口に加えるとなんの躊躇なく煙草に火をつけた。
「私はマナです。あなたは……?」
男「ティキ・ミック」
【ティキ・ミック】
それが男の名前だった。
とりあえずマナはにっこり笑ってティキにリンゴをもう一つ差し出した。
「リンゴ、もう一つ食べる?ティキ」
するとティキはクスリと笑ってリンゴを受け取った。
ティキ「あんがと。」
なんだかティキの隣にいると自然と落ち着けるような気がした。
それに自分もお腹が空いていたのでマナは自分もそこでリンゴを食べる事にした。
ティキ「あんさ、こんなに貰っていいの?」
ティキは煙草を押し潰すように消すとリンゴをかじりながら訊ねてきた。
「大丈夫、たくさんあるから。」
ティキ「そんなにリンゴどうすんの?」
ティキの目は明らかにマナが持つリンゴが大量に入った紙袋に向けられていた。
これを全部自分1人で食べるなんてとても言えない。
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