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“エ、イッショニアソンデクレルノ、ウレシイナ!!”
声は耳が痛くなるほどの大音量。人間よりも聴力がよいピカチュウはもうたまったもんじゃない。
“イッパイアソンデアソンデアソンデ…、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!”
ピカ・カービィ「……!!!!!!!」
超音波のごとく耳鳴りが脳を支配する。意識が朦朧としてきて、2人は床に力なく倒れてしまった。
メタ「…!? どういうことだ…!!?一体…、何が起こっているというのだ…!!」
一方、食堂では☆ー…
ルカリオ「だから何度も言っているだろう、カレーに一番合う調味料はチロルチョコだ」
デデデ「そうか、ならわしも何度もいっているがお前の舌を狂ってるぞい」
ルカリオ「あ、最近新しい味が発売されたんだ。黒蜜きな粉っていう…」
こちらはこちらで話が脱線中。
いきなり楽しそうにチロルチョコについて語っていたルカリオの顔が嶮しくなった。
デデデ「…どうした?」
ルカリオ「今…、とてつもない邪悪な波動を僅かだが感じた…!しかもあの方向は…」
ルカリオが、その感じたという部屋がある方向を指で指し示す。
それを見てデデデの顔からさー…と血の気が引いていくのがわかった。
デデデ「メタナイト!」
ノックもせず彼の部屋を開ける。
そこには自らの血で染まるギャラクシアを握っている彼が壁に張り付けられるようにして倒れていた。
窓は全開にされており、場違いの心地よい風が生臭い香りを運んでくる。ルカリオが慌てて彼に走り寄ると、僅かだが息をしていた。肩を揺すって必死に呼びかける。
メタ「…!!ル…カリオ、それに…陛…下!ご無…事…でしたか」
デデデ「お前がそこまでやられるとは…!何があった!!!?」
メタ「カー…ビィとピカチュウが…!何者かに連れさらわれてしま…いました」
息苦しそうに語るメタナイト。傷が見た目以上に深いみたいだ。
ルカリオ「なに…!?一体どこに…!!!」
メタナイトが震える手で天井を指さす。つられて2人が見上げると、そこには血を使って書かれたであろう文字がつらつらと並んでいた。
God be with you ,
and How do you do ?
(訳;さようなら、
そして はじめまして)
このメッセージの下には、小さいながらも犯人と思われる名前が刻まれていた。
挿し絵協力‡魅魔ナイト様
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