■人柱アリス

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チェシャ猫は狂った世界に退屈していた。みんなが 普通 に過ごす、女王のためにせっせと働く。 友達(一方的かも)の帽子屋、三日月ウサギ、時計ウサギ、ブラットツインズのディーとダム。 彼等は自分の毎日に忙しくって俺に見向きもしてくれない。慣れたけど、淋しくなんかないけど。 そんな毎日に、今日、変化が起きた。 いつもの森の散歩道が一本増えている!しかも…、レッドカーペット。 チェシャ猫は、つまらない毎日が壊れたので嬉しくなった。興味半分でその新しい道へ足を運び、うきうき歩き出す。 どうして靴の裏に、赤い水が付着していくのかな? しばらく歩くと、いきなりレッドカーペットが途切れていた。あれ?と思い辺りを見渡すと薔薇をひたすら刈る独りの人間が。 赤いドレス、剣を持つ右手の甲に"スペード♠"が刻まれている。 リンク(チェシャ)「アリス!やっと来てくれたんですね、俺ずっとずっと待っていたのに…」 人間は、やっとチェシャ猫に気付いて薔薇を刈る手を止めてこちらを見る。 アイク「俺は"アリス"じゃない、アイクだ。さっきから皆が俺をアリスと呼ぶ、なぜだ?」 それは、君が"適合者"だからー。なんて教えてあげるほどチェシャ猫も暇じゃない。 アイク「…応えないか、お前も。気に入らないなっ」 そう言って真っ赤に染まったアリスはチェシャ猫に剣を振り下ろす。刀身は、他者の血で鈍く輝いていた。 みんなを斬ったんだね アリス。 君と僕が 壊した世界。 .
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