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チェシャ猫は満足そうに微笑んで、剣を軽々避けてからアリスを抱きしめた。
まさか、標的が自分の方へ来るなど想像もしていなかったアイクはポカンとしてチェシャ猫を横目でみる。
リンク「ほら、獲物はまだまだこの先に沢山いるよアリス。道が途切れていたら女王様も困ります」
だから早く、血みどろの道を完成させてくださいね?
アイク「もう結構進んだぞチェシャ。これでも女王は満足しないのか?」
薄暗い奥地までやってきた。現れる獲物に、このアリスはことごとく剣を振り下ろして。
おかげで道はほぼ完成。
お疲れさま。
チェシャ猫は1つあくびをして指をパチンッ♪と鳴らした。
とたんに彼の前を歩いていたアリスを囲むようにして茨があちこちから生えてきた!
まるで檻のようだとアリスは驚いて茨格子にしがみつき、すぐ外にいるチェシャ猫を睨む。
アイク「貴様…!?なんのマネだ」
リンク「あなたが女王様にとって危険物質だからですよ、アリス。君はあの方を見る価値さえない」
チェシャ猫は、空虚な目でアリスを見返し来た道を戻り始めた。
早く帰らないと。昼食に間に合わなくて女王に怒られてしまう。
だんだん遠ざかっていくチェシャ猫の背に手を伸ばしながらアリスは発狂した。
アイク「ならば…、その身を置いていけ!八つ裂きにしてくれる…!」
リンク「一番目アリスは 勇ましく
剣を片手に 不思議の国ぃ
いろんなものを 斬り捨てて
まぁっ赤な道を 敷いていった
そんなアリスは 森の奥ぅ
罪人のように 閉じこめられて
森に出来た 道以外にぃ
彼の生を 知る術(すべ)なし♪」
チリーン
挿し絵協力‡Alen様
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