人物紹介

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『琉穏君は、此処に運ばれた時、既に心臓が止まっていて、呼吸もしていませんでした。 沢山の方が、琉穏君に生きて欲しいと思い、今まで出来る限りの事をしましたが、この時間をもちまして死亡確認となりました』 この後の言葉は、覚えていません。 私は叫ぶように泣いていました。 びしょびしょに濡れた服を看護師の方が丁寧に袋に入れていてくれました。 真新しいタオルに琉穏を包んでくださり、まだ暖かい琉穏の身体を抱き締めていました。 この時既に心拍停止から2時間以上経過していたにも関わらず、まだ暖かく、本当に眠っているようでした。 この後どう家に帰ったのかは全く覚えていません。 ただ徐々に冷たくなっていく琉穏の体をひたすら抱き締めていました。
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