警察署にて

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「琉穏君は、事故死になるので、同意のうえ解剖しないと死亡届が発行できません。 事情聴取もさせていただきます。」 無傷の身体にわざわざメスを入れる? 言っている意味は分かっても納得できませんでした。 「もし解剖を拒否した場合どうなりますか?」 「琉穏君の場合は死亡届がでません。 なので葬式も出せなくなりますよ?」 私にはある種の脅しのようにも受け取れました。 同意と言う名の強制でした。 「わかりました、ただ連絡を取らないといけない人が居るので、少し待ってください。」 私は琉穏を母に預け、当時名古屋に行っていた琉穏の父親のまさきに連絡を入れました。 「プルルルル…プルルルル…」 何度もかけ直しました。数回かけ直した時、やっと電話に出てくれました。 その瞬間パニックになってしまい、口をついで出るのは泣き声で掠れた、琉穏の名前だけでした。 「琉穏が…琉穏が…」 電話口ではただ事ではない様子を感じ取ったのか必死に 「琉穏がどうしてん!なにがあったんや!」 私は出来るだけ落ち着いて状況を説明しました、でも『死』と言う単語を伝えるときには泣き崩れてしまいました。 「なんでや!明日誕生日やないか!まだ1歳にもなってないんやぞ!」 相手の気の動転は手に取るようにわかりました。 私はただひたすら謝っていました。 「とりあえず、今からすぐに帰る!でも着くのはどうしても夜になってしまうから!ごめんな!」 「ごめん、気をつけて帰ってきて…」 一通り話し終わり、私は琉穏を連れて警察署に向かいました。 琉穏を部署の女性に手渡すと、案内されたのは取調室でした。
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