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昼過ぎから私は自室にこもり、
行きつけのリサイクルショップの人と電話をしていた。
今日下駄箱が届くからだ。
配達時間などを話ながら、世間話をしていた。
その頃母は、隣の部屋で朝から熱のある当時3歳の長男の看病をしていた。
妹は2階で昼寝をしていて、琉穏は、1階の部屋で昼寝をしていた。
それぞれがあんな恐ろしい事になるなんて想像もしないで…
「ねぇ、琉穏知らなぁい?部屋にいるぅ?」
母の声に、私は普通に
「こっちには来てないよ、さっき1階で寝てたじゃん」
と答えた、と、同時頃に
「きゃぁぁぁ、お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
母の悲鳴とも叫びとも取れる声が鳴り響いた。
と、同時に隣の部屋から妹が活きよい良く飛び出して階段を下りていくのがわかった。
私は急いで電話を切り、携帯を握ったまま階段を駆け下りた。
台所では母が泣きながら呆然と立っていた。
妹はびしょびしょに濡れた琉穏を逆さまにして振っていた……
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