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一瞬、冷たい空気が顔に当たり
思わず眼を閉じ視界を失う…。
ゆっくりと開いた眼の中に
その姿はハッキリと映っていた
玄関先の壁に
寄り掛かる様にしゃがみ込み
少し上目遣いで私を見ている
1人の男の子……。
細くてしなやかな首筋には
大きな傷の跡………。
『……………ナイト?』
不意に自分の口から出た言葉に戸惑う…
私何を言っているんだろう……
この人がナイトな訳ないのに…
でも、次の瞬間彼が言った言葉に
自分の耳を疑った………。
『ただいま………真海ちゃん。』
!?
気が付くと私は
彼に駆け寄り抱きしめていた。
柔らかな黒髪に、少し青味がかって見える大きな瞳………。
『お帰り………ナイト。』
.
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