序章『存在意義』

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身体を自分自身の手で触ってみる。 固い胸板、固い二の腕、そして一番気になるのは下半身。違和感を感じるこの物。 これはなんだ? 『男性器』 そうか、私は『男』なのか。 『男』とはなんだ? 疑問が一つ消えたがすぐにまた新しい疑問が生まれてくる。 『なぜ私は男なのだ?』 きりのない自問自答に嫌気がさしてきたのは私を苛立たせていた太陽がいなくなってからだった。 考えても仕方がない。 何故か疑問が生まれても直ぐに答えが分かる。 まるで最初から知っていたかのように。
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