ハジマリノウタ

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爽やかな風が吹き、俺の前髪を撫でて行く。 空は太陽が沈み出し、雲は大きく自由だったが、俺はその場を動けずにいた。 肩に背負ったギターケースが重くて仕方ない。 夏も終わり、紅葉の季節もそろそろ終わる頃だというのに、汗が止まらない。 俺は目の前にそびえ立つ巨大な校舎を見上げていた。 私立 夢が丘学園。 この場所で、自分はどれだけの時間もつ事ができるだろう。 目的の教室には辿り着けるか。 そこにアイツはいるのだろうか。 このまま背を向けて帰りたい。だがそれをできないのは、自分自身が一番分かっていた。 「……行くか」 大きく深呼吸をしてから、俺は覚悟を決めて一歩ずつ学園に向かって行った。
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