54人が本棚に入れています
本棚に追加
「愛してるよ・・・」
「愛してる・・・」
帰る場所があるあなたのこと 好きになってはいけない
わかってた 初めから
それから幾度も慎一郎さんとの逢瀬が続いた。
父の目を盗み、奥様の目を盗み・・・
体を重ねる度にどんどん深く堕ちていった。
「彩織、すごいな・・・逢う度にうまくなっていってる・・・」
自分でも怖いくらいに彼のことを愛していた。
彼の為ならどんなことでもできるような気がした。
ひとつになった時、ぎゅっと目を瞑る切なそうなあなたの顔が好き。
「慎一郎さん、愛してる・・・愛してる・・・」
彼の首に腕を絡め、何度この台詞を言っただろう。
離れられない
離したくない
お願い このまま私だけのものになって・・・
部屋に来るといつも時計をはずして微笑んでくれる。
優しくて、ずるいあなた。
「僕は弱いね」
やめて そんな言葉聞きたくない。
私が聞きたいのはただ一言。
「愛してる」
最初のコメントを投稿しよう!