見えないさくら。

🌸

「いらっしゃいませ～2名様ですかぁ～？」
若い居酒屋の店員さんはかんちゃんとあたし、ではなく、かんちゃんの横にならんだ体格のいい男に話掛けた。

会社帰りかんちゃんと、その同期の高田さんは駅近くの居酒屋に来ていた。
そこにはちゃっかりあたしもいた。
２名なのになぜかグラスが３つ出される、というようなホラー的な展開もなくあたしの存在はあっさりと無視された。