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「此処が僕の部屋…?」
部屋を確認してカードを差し込む。
一瞬、小さな機械音がしてからカチャ、と鍵が開く音がした。
「お邪魔します…じゃないのかもしれませんが…」
よそよそしく扉を開けて中に入る。
扉を閉めるとカチャ、と音がする。
オートロックというやつだろうか…。
「チッ
一人部屋にしては広いじゃねぇか…」
因みに雪羽は特別に一人部屋。
しかし、一人部屋にも関わらず広すぎる部屋は居心地が悪い。
「段ボールがこんなに…
要らない事すんじゃねぇよ…」
文句を言いつつ中身を確かめる。
中身を見た雪羽は、一瞬気絶仕掛けた。
ハッとして、他の段ボールも貪るように開けてみた。
「……」
言葉が出ない。
何せ段ボールの中身はフリルの可愛らしいコスプレや女物の服が詰められていたからだ。
「着るわけねぇーだろ!!!」
憤怒の叫びは防音対策のおかげで、周辺には聞こえなかったそうだ。
「明日から学校か」
ポツリと呟いた言葉に、震えが生じた。
雪羽は、普通の子供が通うような学校には行ったことがなかった。
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