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「どちら様で…?」
睨んでくる美男子に尋ねる。
「…鳳条院英士
生徒会長だ
…それよりお前、
どうやってのぼった?」
見上げている美男子をカッコイイと思いながら雪羽は笑った。
「どうやってって…飛び越えた…のでしょうか?」
自分でもどう表現したらいいのか分からなかったので適当にぼかし、疑問形で終わらせた。
「飛び越えられる高さじゃないだろ……
兎に角降りて来い」
降りて来い、と言われ苦笑を浮かべる。
(降りたいけど…怖い…
怖いなんて言ったら笑われそうだな…)
しょうがない、と意を決して重力に身を任せた。
宙で一回転してストン、と軽く着地する。
「…お前…オタクが器用な事してくれるなぁ…?」
ニヤリと笑う美男子。
(美形が笑うと迫力あるな、うん)
「オタク…ですか…
…まぁいいです」
この格好だからどう言われても仕方がない。
「ですが、忠告してあげます」
雪羽が眼鏡の向こうの瞳が真剣な光を宿す。
「外見で判断してはいけないと思います…
外見だけが全てじゃありませんから、ね?」
外見は只の見せかけだ、中身が大切なのだ。
雪羽はそれをよく知っているので彼に忠告として知らせてあげた。
「で…生徒会長が何の御用で?」
「………嗚呼…
用事なんかない」
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