現実主義者と非現実な存在

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「なっ!!」 とっさに身体を動かし、直撃を避ける 火の玉は地面にぶつかり轟音と共に火柱となって立ち上る 一体なんなんだ!? 「外した…では、もう一発だ」 「誰だ!」 背後からの声に振り向くと、そこにいたのは黒スーツを着た昨日の“あれ”とは違う小人 理知的な顔つきでスーツをしっかりと着こなしているが、耳に開けたピアスと口にくわえたタバコがそれを台無しにしている 「やっぱり、的当てはあまり得意じゃないな」 小人は顎に手を当て、火の玉が直撃し、ドロドロに溶けたアスファルトを見ている 「お前らは…なんだ?」 「知る必要は無い。お前は俺に殺されるんだからな。我、リシュア・ローダンテ・ギュライアの名に於いて“Purgatory”を施行する」 周りが、大気が、ぐにゃりと歪む 俺の頭上に再び特大の火の玉が現れる 「一つだけ同情するなら、ギド様と会ってしまった事だ。せめてもの情けで苦しまない様に一瞬で蒸発させてやる。対象確定、発動!!」 小人が手をかざすと、火の玉はいっそう燃え盛り大きさを増す さっきとは桁が違う。避けきれない 大気が歪む。火の玉が俺に迫る 人間、死ぬ時は微動だに出来ないって聞いたが…正にそれだな 俺が死を確信した、その時 俺の頭上に幾何学模様の陣が浮かび上がり火の玉をかき消す これは昨日の… …じゃあまさか! 「人間、貴様の耳は飾りか?家から出るなと言った筈だ。まったく…面倒な事になった」 やっぱりか… 顔を下げるとそこにいたのは、昨日、家の冷蔵庫に入っていた“あれ”だった .
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