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「…以上の事を踏まえて考えても、妖精なんてモノは存在しない」
「なんで言い切れるんだよ!」
なんで言い切れるか、だと?
「いいか?そもそも妖精というのはヨーロッパのおとぎ話などに出てくる架空の存在だ。お前だって特撮のヒーローが本当にいるとは思ってはいないだろ?」
高2にもなって思っていたらヤバい野郎だ
「ま、妖精を捕まえたら俺に見せてくれよ…あり得ないけどな」
ポンと相手の肩を叩いて、弁論の場となっていた教室から速やかに退場させる
…貴重な放課後が無駄になった
これは俺の毎日の仕事といっても過言ではない
何故か毎日の様にロマン溢れる奴らが俺の元にやってくる
いや、何故やってくるのかは分かっているのだが…
「さすがフーちゃん!ロマンを粉々に砕く事に関してはプロね!」
俺に近づいて来たこの女子、工藤雪歌(くどうゆきか)のせいである
「誰がフーちゃんだ。いい加減その呼び方止めろ。もう高2だぞ、名字で呼べ」
「え~カワイイでしょ?フーちゃん」
「男に“ちゃん”を付けるな。それと、俺に変な奴らを差し向けるのは止めろ」
今日は妖精。昨日は雪男。一昨日はツチノコ
他にもネッシー、チュパカプラ、フライングヒューマノイド…もう数えられん
「だってみんなフーちゃんと話したがるんだからしょうがないよ~」
なにがしょうがないんだ…
俺は知っている。コイツが俺に未確認生物や物体の存在を認めさせるってゲームを裏でやっていることを…
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